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鈴木 誠矢; 荒井 陽一; 岡村 信生; 渡部 雅之
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(7), p.839 - 848, 2023/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所の事故で発生した燃料デブリは、溶融した核燃料物質と原子炉の構造材等で構成された酸化物が多くを占めているため、環境温度の変化により岩石のように劣化する可能性が高い。燃料デブリは10年以上水冷されているが、季節や昼夜の温度変化の影響を少なからず受けていることから、燃料デブリの経年変化挙動を評価するためには環境温度の変化を考慮することが不可欠である。仮に燃料デブリの劣化が進んでいる場合、微粉化した放射性物質が冷却水中に溶出して取出し作業に影響を及ぼす可能性がある。本研究では、環境温度の繰り返し変化がクラックの発生に与える影響に着目して、燃料デブリの模擬体を用いた加速試験を実施した。その結果、クラックは温度変化を重ねることで増加することを確認し、燃料デブリの簿擬態は熱膨張と収縮による応力により脆化することが判明した。燃料デブリの物理学的な劣化挙動は岩石や鉱物に類似していることが確認され、模擬燃料デブリと環境のモデルでクラックの増加挙動を予測することが可能となった。